同じメーカー・同じ味でWPCとWPIを比べたら、効率が1.26倍違った
2026年8月6日公開
WPCとWPIの違いは成分表に出るで、製法によって100kcalあたりのたんぱく質量が変わることを書きました。ただしあの比較はメーカーをまたいでいたので、「メーカーの差では?」という疑いが残ります。
VALXは同じブランドでWPCとWPIの両方を出しています。そこだけを取り出して並べました。同じメーカー・同じ製造方針で、製法だけが違う9商品です。
同じ味で比べる
このブランドには、抹茶とチョコレートがWPCとWPIの両方にあります。味付けの条件までそろうので、残る違いは製法だけです。
| 味 | 製法 | 1食 | 100kcalあたり | たんぱく質含有率 |
|---|---|---|---|---|
| 抹茶 | WPI | 25g | 23.4g | 93.1% |
| 抹茶 | WPC | 30g | 18.6g | 77.4% |
| チョコレート | WPI | 25g | 23.0g | 90.6% |
| チョコレート | WPC | 30g | 18.4g | 76.8% |
抹茶で1.26倍、チョコレートで1.25倍。 2組とも同じ比率です。
同じ会社が同じ味で作り分けている商品なので、「ブランドの差では」「味付けの差では」という説明はここでは使えません。
なお、この2つは商品名が似ています。「VALX ホエイプロテイン 抹茶風味」と「VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト 抹茶風味」で、1食の量も25gと30gで違います。メーカー公式の成分表も同じページに並んでいるため、取り違えやすい箇所です。
9商品すべて
| 製法 | フレーバー | 100kcalあたり | 脂質 | 炭水化物 | 含有率 |
|---|---|---|---|---|---|
| WPI | プレーン | 24.5g | 0.2g | 0.08g | 96.4% |
| WPI | 抹茶 | 23.4g | 0.3g | 0.8g | 93.1% |
| WPI | チョコレート | 23.0g | 0.2g | 1.5g | 90.6% |
| WPI | ストロベリー | 23.0g | 0.1g | 1.5g | 90.8% |
| WPC | カフェオレ | 18.6g | 1.7g | 3.6g | 77.6% |
| WPC | 抹茶 | 18.6g | 1.6g | 3.9g | 77.4% |
| WPC | チョコレート | 18.4g | 1.7g | 3.8g | 76.8% |
| WPC | ベリー | 18.3g | 1.7g | 4.4g | 76.1% |
| WPC | ヨーグルト | 18.1g | 1.5g | 4.6g | 75.4% |
WPIが23.0〜24.5g、WPCが18.1〜18.6g。重なりがまったくありません。
たんぱく質含有率も同じように分かれます。WPIが90.6〜96.4%、WPCが75.4〜77.6%。 メーカーが公表しているこの数値は、製法そのものを表しています。効率の順位と含有率の順位が9商品すべてで一致していて、100kcalあたりの値が何を測っているのかがそのまま見えます。
分離させているのは脂質と炭水化物
数字を見ると原因がはっきりします。
- 脂質 WPI 0.1〜0.3g / WPC 1.5〜1.7g(約6〜10倍)
- 炭水化物 WPI 0.08〜1.5g / WPC 3.6〜4.6g(約3〜45倍)
WPIは乳清をさらに精製して乳糖と脂質を取り除いたものです。取り除いた分だけ、同じカロリーに占めるたんぱく質の割合が上がります。製法の説明がそのまま数字になっているわけです。
味付けの分だけ下がる
WPIの中でも幅があります。プレーンが24.5gで、チョコレートとストロベリーは23.0g。差は1.5gです。
原因は炭水化物で、プレーンの0.08gに対してチョコレートは1.5g。飲みやすくするための味付けが、そのまま効率を下げています。
これはWPCでも同じ傾向です。炭水化物が最も少ないカフェオレ(3.6g)が18.6gで最上位、最も多いヨーグルト(4.6g)が18.1gで最下位。順序がきれいに一致します。
ただし幅は製法の差より小さく、WPC内の差は0.5g、WPIとWPCの差は約5gです。どの味を選ぶかより、どちらの製法を選ぶかのほうが10倍効きます。
24.5gという天井
VALX WPIパーフェクト プレーンの24.5gは、収録118件の1位タイです。もう一方はグリコ パワープロダクション ホエイプロテイン680で、こちらも24.5g。
別々の会社の製品が、同じ数字で並んでいます。 どちらもWPIでたんぱく質含有率95%前後、脂質0.1〜0.2g、炭水化物0.1g前後という、ほぼ同じ設計です。
たんぱく質は1gあたり4kcal。理論上の上限は100kcalあたり25gなので、**24.5gは理論値の98%**にあたります。ここから先はほとんど伸びしろがありません。1位が2社の同着になったのは偶然ではなく、両社が同じ天井に当たっているからです。
選ぶときの目安
- WPIとWPCの差は1食あたり脂質1.5g程度。 食事全体で見れば小さい
- 価格差はWPIのほうが大きい。 精製工程が増えるぶん当然
- 脂質と糖質を極限まで削りたい場面だけWPIが明確に有利。 それ以外はWPCで足りる
- プレーンは効率が最も高いが、味がない。 続けられるかは別の問題
数値だけを見ればWPIプレーン一択ですが、飲み続けられなければ意味がありません。この表は「どれだけ違うか」を示すもので、「どれを買うべきか」を示すものではありません。